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第6回日本光カード医学会論文集、23、1995年

[施設案内]

東京簡易保険総合健診センターの概要

所長 新谷和夫

 日本光カード医学会参加の皆様に施設をご覧頂くにさいし、当センターのパンフレットを同封させていただきましたが一般向けのものですので以下の事項を補足したいと思います。

 経営母体:簡易保険福祉事業団

 敷地、建物延面積:2039m2、14948m2

 建物構造:地下3階、地上7階であるが、医療部門は2階人間ドック、3階精密検査として使用し、他はホテル、会議・宴会場、レストラン、フィットネスなど全て委託経営となっている。

 医療部門の特徴:人間ドックは午前中検査、午後面接指導という形で自動化健診学会の基準検査を満たしており、1日80名の処理能力を持っている。
 ドックで異常が検出されると曜日別専門外来制をとっている3階精密部門に予約するか、受診者の近隣医療機関を紹介している。
 治療に関しては地元医師会との関連で必要最小限のものとしている。
 なお、ドックは子宮細胞診、乳房検診、肺CT、頭部CT、骨検診等のオプションを行っているが、そのほかにも巡回検診車を出して、月1回4日間の簡易ドックを実施し、随時定期健康診断にも応じている。
 医療関係の定員は医師6、看護帰11、X線技師8、検査技師6、栄養士1でスタートして受診者の増加と共に増員の予定で、当面の不足はパートタイマーで賄っている。なお、精密検査部門は大部分が関連大学からの派遣である。
 医療機器はヘリカルCT、電子内視鏡、心エコー、マンモグラフィー等最新のものを導入し、検体検査もすべて所内処理できる態勢にある。また、オートラベラーが稼働している。

 システムの特徴:従来自勧化健診施設ではオフィスコンピュータの単体処理が主流であったが、当施設では検体処理、面接支援、医事会計などのサブシステムをオフィスコンピュータによるネットワークシステムとLAN結合しリレーショナルデータベースで一元管理を図った。
 ネットワーク環境はEthernetとし、プロトコルにはTCP/IPを採用している。
 本システムは受診前日に受診者登録を行い問診情報入力、栄養問診入力とバーコード発行を行うので検体検査でのID情報確保は極めて容易である。また、受診者は磁気カードを持ってまわるので身長、体重、聴力、血圧、心電図等ME機器データもオンライン収拾が容易である。
 データの記録は生データだけでなく共通表示形式の一つであるSDI値も併せ記録することとした。これによって個人データを長期間にわたって追及するさい途中の測定機器や試薬の変更による正常植変化の障害が除外できる。またこれによって他医療機関とのデータ互換性も期待でき、個人データの個人保管を目指しカード型記憶媒体の活用も考えられる。現在小規模ながら光カードによる実験を開始しているので実例をご覧頂ける。


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